- 「口腔機能向上加算を算定したいけれど、うちの施設の利用者は対象になるの?」
- 「訪問歯科が入っている人は対象外って本当?」
加算の取得に向けて動き出した際、最初につまずきやすいのが「対象者の見極め」です。対象者と対象外のルールを正しく理解していないと、せっかくケアを行っても返戻(不正請求として扱われること)になってしまうリスクがあります。
本記事では、2026年最新の制度に基づき、口腔機能向上加算の「対象者」となる基準と、「対象外」となってしまうケースを初心者にもわかりやすく徹底解説します。
現場で迷わないための判断基準をしっかり押さえておきましょう。
口腔機能向上加算の「対象者」となる具体的な基準
口腔機能向上加算は、施設を利用する全員が無条件で算定できるわけではありません。原則として、「事前のスクリーニング(評価)によって、口腔機能が低下している、またはその恐れがあると判断された方」が対象となります。
スクリーニングで「低下の恐れあり」と判断された方
具体的には、国が定める基本チェックリストや施設独自の評価シート等を用いて、以下のいずれかに該当するかを確認します。
- 口腔清掃状態の不良: 歯や舌の汚れが目立つ、口臭が強い
- 摂食・嚥下機能の低下: 食べ物を噛み砕けない、飲み込みづらい
- 口腔乾燥(ドライマウス): 唾液の分泌が少なく、口の中が渇いている
これらを多職種(介護職員、看護職員、歯科専門職など)で評価し、「このままでは誤嚥性肺炎や低栄養のリスクが高い」と判断された方が算定対象となります。
現場で気づくべき日常生活での「サイン」
書類上のチェックだけでなく、日々の生活の中で以下のようなサインが見られる利用者は、対象となる可能性が非常に高いです。
- 食事中によく「むせる」「咳き込む」
- 食べこぼしが増えた、口の中に食べ物が残りやすい
- 硬いものを避けて、柔らかいものばかり食べるようになった
- 食事に時間がかかるようになった
- 滑舌が悪くなり、言葉が聞き取りにくくなった
現場の介護スタッフがこれらのサインにいち早く気づき、対象者としてピックアップできる体制づくりが重要です。
要注意!「対象外」となってしまう3つのケース
「口腔機能が低下している」という条件を満たしていても、制度上のルールによって算定が「対象外(不可)」となってしまうケースがあります。特に以下の3つには注意が必要です。
1. 医療保険の「歯科訪問診療」を受けている場合(原則併用不可)
最も間違いやすいのがこのケースです。 すでに外部の歯科医院から、医療保険を使った「歯科訪問診療」や「訪問歯科衛生指導」を受けている利用者は、原則として介護保険の「口腔機能向上加算」を同時に算定することはできません。
これは、医療保険と介護保険で「同じ目的のケア(二重請求)」を行うことを防ぐためのルールです。どちらを優先すべきか、利用者の状態に合わせてケアマネジャーや歯科医師と相談する必要があります。
2. 利用者や家族からの「同意」が得られない場合
口腔機能向上加算を算定するためには、事前に「口腔機能改善管理指導計画書」を作成し、利用者本人またはご家族に内容を説明した上で、文書による同意を得ることが必須要件です。
「お金(自己負担)がかかるならやりたくない」など、同意が得られなかった場合は、いくら対象者の基準を満たしていても加算は算定できません。
3. 短期間での退所や入院によるケアの中断
加算は計画に基づき、継続的(月に数回)にケアや評価を行うことで算定されます。そのため、計画を作成した直後に入院してしまったり、数日で施設を退所してしまったりして、十分なケアやモニタリングが実施できなかった月は算定対象外となるケースがあります。
対象者と対象外で変わる「他加算との併用ルール」
対象者を見極める上で、「他の加算と一緒に取れるのか?」という疑問もよく耳にします。
栄養改善加算などとの併用は可能?
可能です。 むしろ国は併用を推奨しています。 「食べる機能(口腔機能)」と「栄養状態」は密接に関わっているため、「栄養改善加算」や「科学的介護推進体制加算(LIFE提出)」などと組み合わせて算定することで、より効果的なケアの提供と、施設の大幅な収益アップが見込めます。
対象者が増えるほど深刻化する「現場のジレンマ」
対象者を見極めるルールが分かれば、施設内には「算定対象となる利用者」が意外と多くいることに気づくはずです。対象者が増えれば、施設の収益は大きく向上します。
しかし、ここで多くの施設が「現場のジレンマ」に陥ります。
アセスメントとケアの時間が圧倒的に足りない
対象者が10人、20人と増えるにつれ、一人ひとりに対する事前のスクリーニング、丁寧な口腔ケアの実施、毎回の記録、LIFEへのデータ入力など、現場スタッフの業務量は爆発的に増加します。
「対象者はたくさんいるのに、人手と時間が足りなくて全員にケアを提供できない」という状態に陥ってしまうのです。
認知症などでケアを「拒否」されてしまう壁
さらに、対象者の中には認知症などを患っており、口を開けてくれなかったり、ケアを強く拒否したりする方も少なくありません。無理にケアを行おうとすればスタッフへの負担や怪我のリスクも高まり、結果として加算の算定を諦めてしまうケースも多々あります。
参考:口腔ケアを嫌がられる原因と対処法|拒否される現場の共通点
まとめ:対象者を正しく把握し、全員に質の高いケアを届けるために
本記事のまとめです。
- 対象者: スクリーニングで口腔機能低下の恐れがあり、計画作成と同意が得られた方
- 対象外(注意): 医療保険の訪問歯科をすでに受けている方など
- 他加算との併用: 栄養改善加算などとの併用は可能で、推奨されている
対象者を正しく見極めることは、加算取得の第一歩です。しかし、真の課題は「対象者全員に対して、いかに現場スタッフの負担を増やさずに質の高いケアを提供し続けるか」という点にあります。
「時間はかけられない。でも、対象者全員の口腔機能をしっかり改善して加算を取りたい。」
そんな現場のジレンマを解決し、スタッフの業務負担を劇的に減らしながら収益化を成功させる「新しい戦略」があります。その具体的なノウハウと、多くの施設を救っているある機器の秘密を、以下の記事で完全公開しています。

